REITは62のファンドがあり、8つのタイプに分かれます
目次
J-RETの分類
前回、REITの仕組みについてサムティーレジデンシャル投資法人を用いてREITの仕組みについて分析してみましたが、日本のRIETにはサムティーを含めて62のファンドがあります
そして、それらは8つのタイプに分類されます。数字はREITの数です
1.オフィス 12
2.住居 5
3.商業施設 3
4.ホテル 6
5.物流施設 9
6.ヘルスケア施設 1
7.総合 22
8.複合 4
それぞれのREITが分類の通りの不動産を所有して、資産運用している訳です。ただ、総合と複合の意味がわかりにくいので簡単に説明しておきます
総合型REITのとはオフィス、住宅、商業施設、ホテル、物流施設などの5つの分類に分散投資しているREITです。よって、総合型REITに投資すれば、自動的に分散投資が可能となるわけです
複合型REITとは総合型REITほど幅広く分散投資しているわけではなく、オフィスと住居の2つだけに投資するようなREITです。これは、景気の動向に対して逆の影響を受ける2つの組み合わせることによって、リスクをヘッジすることが目的です
新型コロナの影響
新型コロナの影響が、REITの各分類にどのような影響を与えたか、代表的なREITの1年間の価格の変化を見てみましょう(どのREITかは、グラフの証券コードを参考にしてください)
このグラフは、2020年9月28日現在の過去1年間の価格の変化を表しています。どの分類も新型コロナの影響により、2020年の3月に約25%~70%の価格の下落がありましたが、その後の回復に大きな差が出ています
最も大きな打撃を受けたのが、ホテル型です。まさに、東京オリピックまで数ヶ月前の時期であり、国内外の観光客に備えて新規開業の準備をしていたこととも重なり、業績が不安視されています。さらに、収束しない新型コロナは、それまで好調であった海外からのインバウンドの観光客も消し去ってしまいました
商業施設は、外出規制や買い物のネット通販への移行に伴い営業不振に陥っています。対象的に、通販を扱う物流施設は活況です
オフィスは在宅勤務により不必要になったスペースの退去が始まっているようです
住居は、概ね、現状維持ですが、今後、在宅勤務の拡大と定着による影響がでると思われます。REITによる所有物件の差、ファミリータイプかシングルタイプ、都心か郊外、地方で状況が変わってくると思います
REITへの投資の狙い目
では、今からREITへの個別投資をする場合、どの銘柄を選ぶのがいいのでしょうか?
まず理解しておきたいのが、REITの仕組みです。どの分類のREITであっても、分配金の原資は、家賃収入です。新型コロナの状況であってもREITがテナントから家賃さえもらえていれば、分配金を払うことになります。逆に退去が発生する、家賃がもらえない、家賃の減額が発生するとなると、REITは分配金を払うことができなくなります
そこで、5つの分類を4つのタイプに分類してみましょう
タイプ1:なんとかテナントを維持し、家賃はもらえているが、新型コロナ影響によって将来が不安視され、REITの価格自体が下落している。結果的に分配金の利回りは上昇します
⇒商業施設とオフィスです。テナントの退去は少なからずありますが、今の所限定的で、利回りは概ね上昇しています
タイプ2:テナントの状況は変わらないのに、今後の期待からREITの価格自体が上昇しているREITは、分配金の利回りが下落しています
⇒物流施設です。いくらネット通販が拡大するからと行って、いきなり家賃を値上げすることはできません。利回りは全体的に下落しています
タイプ3:価格も分配金も下がっているREITです
⇒ホテル型です。一例として、ジャパン・ホテル・リート投資法人の開示資料によると、所有ホテルの5月の稼働率は8.5%と低迷しており、REITの価格が下がっているにも関わらず、分配金利回りは0.26%(2020年9月28日現在)に急落しています。すなわち、REITの価格も分配金も下落しているということです
タイプ4;価格は若干の下落、それによって利回りは上昇しているREITです
⇒住居型です。在宅勤務の拡大により都心から郊外に人が移住するという意見もありますが、今の所、大きな動きにはなっていないようです
以上4つのタイプを表にまとめると以下のようになります
2020年9月28日現在
おすすめ度の基準は、
・安定した分配金利回り
・価格と分配金の下落リスクの低さ
であり、やはり住居型(レジデンス型)に安心感があります
また、このタイミングで利回りが下落しているが、価格の上昇を狙ってホテル型に投資することも考えられますが、新型コロナの収束時期が予測できない現状では選択肢から除外するしかありません
商業施設・オフィスは、コロナの影響を受けるでしょうが、限定的な気もします
物流施設は、少し価格が上がりすぎで、投資には不適格です
まとめ
新型コロナは、世界経済の様々なところに影響を及ぼしました。もちろんREITへの影響も大きく、一時は大きく価格が下落しました。しかし、そこからの戻りは、REITの分類によって大きく違いました。一言で言えば
住宅型(レジデンス型)強し!
の一言です
ネット販売の拡大に伴い、物流施設型を押す人も多いですが、所詮、不動産賃貸経営ですので、大きなキャピタルゲインが得られる投資にはならないことを考えると、現在の価格は少し高いと思います
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次回は、私がおすすめする住宅型(レジデンス型)REITの5つについて深堀りしてみたいと思います
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Hey! Hey! REIT!、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました