難しいことじゃないのに、意外とやらない人が多いのが不思議です
目次
調査! 調査!! 調査!!!
シミュレーション日記12参照
T先輩「A君、前回は、より実践的なシミュレーションをしたけど、どうだったかな?」
A君「T先輩、実際に想定される空室率とかを入れて計算すると、より実感がわきましたが、現実は厳しいのもわかりました。ただ、家賃の相場や空率率などをいくつにするかは、初心者の僕には、想像が付きません。それに売り出し価格が適正かもとっても気になります」
T先輩「確かにそうだね。ではどうするか?それは
調査!調査!!調査!!!
しかないんだ」
A君「え!調査ですか?新築の場合、まだ建物が建っていないんですよ!それでも調査できるんですか???」
T先輩「じゃあ、順番に説明していこう。ポイントは、
ネットの調査と現地調査
だよ」
物件のネット調査(事前調査)
現在、一般の人でもネットで調べられる情報が沢山あります。現地での調査の前に事前情報として、しっかり調べておきたい項目をまとめておきます
1.登記簿調査(土地、建物)
中古であれば、土地と建物、新築であれば土地の登記簿が、ネットで入手できます。そんなものは、不動産会社がくれるのだから自分で調べる必要はないのでは?と思っているようでは、物件探しのスピード感が足りない気がします
そもそも、自分が購入しようと考える不動産がどのような歴史を持ってるかを知ることは、今後の購入戦略を練る上で非常に重要なポイントです
登記簿をネットでダウンロードしたら、以下の点に着目してくだい
・所有者は、法人か個人か?⇒法人でも個人でも素性を調べる
・所有権の移転の理由は、購入か?相続か?⇒昔に相続なら余裕があるが、最近の相続や購入なら残債の整理が必要がある?(登記簿に登記したときの話)
・どれぐらいの借入をして、いつ買ったか?⇒当時の相場がわかる
登記簿は、不動産情報の宝の山です。自らネットでいち早く見つけることをお勧めします。ネットからダウンロードするには、
登記情報提供サービス
の利用をお勧めします
利用時間は、平日の8:30~21:00で、不動産登記情報であれば、1通334円で取得ができます。支払いはクレジットを使用します
これで、法務局に行かずに登記簿を取得することができるようになります。ただし、ネットで入手したものには公印が押されないので、証明書として使うことはできません
住所、地番などは不動産仲介会社から入手する必要があります
2.不動産売買相場の調査(土地)
全国地価マップ
を利用しましょう
全国地価マップは土地の地価が地図に表示されるWebサイトで、4つの地価調べられます
4つの地価とは
・固定資産税路線価(市町村)
・相続税路線価(国税庁)
・公示地価(国土交通省)
・実勢価格
のことでおおよそ、以下の関係があります
御存知の通り、それぞれの価格は、それぞれのHPで調べられますが、全国地価マップを使えば、、2画面同時表示では2つの地価の比較もできてとても便利です
3.Googleマップとストリートビュー
こんな優れたものが無料で使えるなんて、Googleには本当に感謝です
単なる地図表示だけでなく、いろいろな機能がありますが
・駅までの距離の測定
不動産広告の徒歩何分の計算は、この距離の測定結果を利用しています。コピーをとっておいて、証拠にすることも可能です
・3Dビュー
建物の外観を上空から見ることができます。現地に行ってもこれは不可能でしょう
・ストリートビュー
ストリートビューを使って、物件から最寄り駅まで歩いて見ることをお勧めします
そして、秀逸なのが
・ヒストリー表示
不定期ではありますが、過去10年ぐらいの変遷を見ることができます。10年あれば、町の様子や建物の外観もそれなりに変化しますが、それを簡単に捉えることができるのです
4.市場分析
ターゲットとなる不動産の賃貸市場の調査は、不動産ポータルサイトを利用するのが便利です
私がおすすめなのは、ホームズ賃貸経営というサイトです
まず、市町村ごとの空室率を調べることができます
そして、このサイトのみにあるのが希望間取りと希望家賃です
・希望間取り
・希望家賃
これらの情報をもとに、その地区で求められている間取りと賃料と実際の供給とのギャップを知ることになり、建築すべき間取りと賃料の方向性を掴むことができます
5.その他
その他、ネットでぜひ調べていただきたいのが
・最寄り駅の乗降客数(各鉄道会社、国土交通省)
・世帯数の増減(法務省統計局)
・世帯所得の推移(法務省統計局)
などです。これらは、直接答えを示してくれませんが、いろいろなヒントを与えてくれます
◇
以上、ネットで得られる情報について紹介しました。おそらく、ここで上げたもの以外にもネットのいろいろなところに情報はあるはずです
自宅でインターネットを使いながら、ほぼ無料で情報が得られるのですから、利用しない手はないです
物件の現地調査(現場)
さあ、ここまでしらべたら、現地に行って、現地調査をしましょう
刑事ドラマではないですが、現場100篇というように、現場にこそ物件の本質が隠されていて、100回訪ねてでも慎重に調査すべきであるということです
行うことは2つです
1.不動産業者へのヒアリング
ターゲットの物件に関することについて、地元の不動産業者にヒアリングしてみましょう
◇
A君「え?そんな、その不動産業者から物件を購入するわけでもないのに、物件についてどうやって聞き出すんですか?」
T先輩「そりゃ、いきなり、あの物件に投資するのはどうですねぇ?なんて聞いてもだめだよね。そこで、秘伝の技を伝授しようかな?近所の不動産屋さんが、思わずいろいろと教えたくなる方法だよ」
A君「ホントですか!?」
T先輩「それはね、こんな風に言うだ
実は、今度、3丁目のコンビニの隣の○☓ハイツを購入しようと思っているんですが、こちらで管理とかをお願いできないでしょうか?
こういう風に聞くと、担当者も身を乗り出して、いろんなことを教えてくれるよ。近所だし、お客さんを案内したこともある可能性も高いしね」
A君「でも、それって、ウソをつけってことですか?」
T先輩「そんなこともないよ。実際、僕もそうやって、物件の近所でいい管理会社をみつけたこともあるんだ」
A君「でもなんで、そんなに積極的に答えてくれるんですか?」
T先輩「やっぱり、不動産会社にしてみれば、管理費という安定収入が魅力なんだろうね。それに、専任契約ができれば、仲介手数料も確実にはいって来るからね。不動産会社は、自社物件として特別扱いしてもくれるんだよ」
A君「なるほど、いいことを聞きました!」
T先輩「不動産会社とじっくり話すなら、平日の昼間とか、お客さんが少ない時がいいと思うよ」
2.物件と周辺調査
いよいよ、物件に到着です。もし、慣れない土地であれば、電車でいくことをお勧めします。これは、最寄り駅から物件まである個々と以外にも、ターミナル駅からの電車の乗り継ぎや客層、混み具合などもチェックできるからです
物件にいく前に、必ず、物件の登記簿と測量図を入手しておきましょう。登記簿は、地面の接するお隣と道路を挟んだお向かいさんのもあると何かと役に立ちます
測量図は、しっかりと境界杭が入っているかの確認に使います。よくあることですが、測量図には杭があるのに、現地にはないことがあります。これだけで、売買上の大きなリスクになることを理解しましょう
わからないことは、現地から仲介会社に電話して確認してください
また、敷地や建物に立ち入ることは基本的にはNGなので、仲介不動産に同行してもらいましょう。しかし、私の場合、危険を覚悟の上、ひとりでも突入します。ただ、近隣の人や入居者さんに不審に思われることもあります
その時は、さっと、自分の名刺を差し出し、「実は、〇〇不動産というところに紹介されて、このマンションの購入を検討していて、見学に来たんです」と正直に言うことにしています
保証はしませんが、私の場合、今まですべて問題はなかったです。オドオドしたり、逃走したりすると最悪不法侵入で警察を呼ばれるので気をつけてください
◇
物件の見学が終わったら、周囲を1時間ぐらい歩いてみましょう。周辺の環境とともに、賃貸住宅の空室率も調べてみましょう
結構、昔から言われていますが、お勧めの方法は、ガスメーターの開閉チェックです。ガスメーターの数で世帯数もわかりますし、空室率もわかります。私もなんとなく賃貸住宅をみると、ガスメーターを探す癖がついてしまいました
ガスメーターが難しい時は、部屋のカーテンがないところは空室と見る方法もあります。ただ、すべての住戸の窓が外から見えるわけではないのであくまでも参考情報になります
◇
A君「物件を買うのにこんなに調べないといけないんて、びっくりしました」
T先輩「君はなにを言っているのかなぁ?これから何千万円もする不動産に投資するのに、調べればわかることをなんで調べないのかなぁ?」
A君「でも、みんな本当にこんなに調べてるんですかぁ・・・」
T先輩(怒!の表情)
A君「ごっ、ごめんなさい!!!」
◇
シミュレーション日記、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました