業者との段取りも大変な外構電気工事その1
目次
DIYは好きですか?嫌いですか?
自分は、嫌いではないのですが、大好きかと聞かれれば、答えはNoかもしれません
元々、手先は器用な方で小さい頃から工作が趣味でした。工学専攻、大手メーカーに就職して研究開発を長くやって来ましたので、機械、電気、材料のことについては詳しいつもりです
また、本格的な大家を初めて15年ほどになりますし、小さい頃から実家の大家業の手伝いをして、いろいろなDIYにチャレンジしてきました。第二種電気工事士の資格も持っています
・クロス、ふすま、障子の貼替え
・クッションフロア、フロアタイルの貼替え
・石膏ボード貼替え
・水栓の交換
・防犯カメラの設置
・TV、パラボラアンテナの設置
・インターホン交換
・ウォシュレット交換
・ペンキ塗り
・アスファルト工事
・換気扇、フードの交換
・コーキング
数えだしたらきりがないですが、最近ちょっとDIYの熱は冷めてきています
理由はいくつかあります
時間がもったいない
サラリーマン大家の場合、作業はどうしても週末しかできません。私の作業が終るまで内見を待ってもらうのは時間がもったいないです。業者にリフォームをどんどんやってもらって、内見のチャンスを増やしたほうが早く決まると考えるようになったからです
例えば、昔は、キッチンのコーキング一式1万円とかいう見積を見ると、自分でやったら、300円のシーラントとマスキングテープ代だけでできるなと思い、管理会社に「コーキングは自分でやります!」と言っていましたが、もうそれはやらなくなりました
材料の保管や工具の置き場所にこまる
DIYを始めると、様々は材料が家の倉庫にたまりだします。要は、使いきれなかった材料のあまりです。例えば、クロス、床材、ペンキや接着剤。何か作業をして余ったものは捨ててしまえばいいのかもしれませんが、貧乏性の私には、それを捨てることができません。特に、プロが使うような高性能なものは、少量で買うことができず、どうしても余りが出てしまいます
工具にしても、いい道具を揃え始めると家の中で置き場に困ってしまいます。ただ、これは、ホームセンターのレンタル工具などを使ったりして回避することはできます
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結果的に、入退去に伴う標準的なリフォームは、全て工事業者さんに頼むようにしています。やはり、プロの品質は高いのでその対価として費用を払うのは仕方ないと考えています。コストの面ではDIYのメリットは大きいですが、時間がかかる、準備や後始末の問題を考えるとそうなってしまうと思います
DIYをやる基準
普通のリフォーム作業についてDIYをやることはほとんどなくなりまいしたが、大家としてどうしてもDIYでないとできないことは、DIYでやりますが、そこには基準があります
工事業者に頼めないこと
例えば、皆さんは、エアコンやシーリング照明のリモコンはどうしていますか?壁にフォルダーをつけますか?それともフォルダーなしで渡すだけです?
私は、壁にネジでフォルダーを固定します。これは、入居者さんが、リモコンを室内で無くしにくい、置き場所に困らないなどのメリットがあります。リモコンの痛みも少ないです
しかし、これは意外に難しい作業です。まず、ネジが効くところを探さないといけません。(石膏ボード用プラグを使うこともあります)また、センスの悪い場所につけてしまうとリモンコンが部屋の雰囲気を壊してしまうこともあります。
こんな難しい作業を電気屋さんにに頼めるわけがありません。お金を出せばやってくれるでしょうが、どこにつけられてしまうか、怖くてお願いできません
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こんなこともありました。ある部屋の巾木がボロボロになっていました。私は、ペンキ屋さんに塗装のお願いをしたのですが、材料的にペンキは塗れないと断られてしまいました
仕方がないので、大工さんに巾木の交換の相談をしましたが、巾木を取り外すと石膏ボードまで傷んでしまい、工賃は大変な金額になると言われました
困った私は、仕方なく、ダイノックシートを巾木のサイズに切って貼る方法を思いつきました。しかし、こんな細かい作業をやってくれる工事業者が見つかりませんでしたんで、仕方なく、自分でDIYでやりました
業者に頼むとありえない費用がかかる作業
業者に頼むとありえないような手数料を取られる作業で、自分にも時間があり、自分でやれることによって大幅なコスト削減ができることは、自分でDIYすることはあります
ありえない金額と言っても人それぞれ基準は違うと思いますが、私にしてみれば、例えば、下記のようなものです
今回のマンション建設では、マンションのゴミステーションの組み立てを自分でやりました。組み立てには1時間ぐらいかかりましたが、外構業者の見積では、組立費が25,000円でした。私の場合、これぐらいでも我慢ができません
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また、今回のマンション建築で、外構工事は、建物建築とは関係のない外部業者に依頼することとなりました
こういった場合、工事業者との段取りの打ち合わせや調整などは、建築主の私がすべてやらないといけません。そして、外構工事なんだから、建物とは全く別工事と考えていいんじゃないのないのですか?と思う方もいらっしゃるとかもしれませんが唯一、建物工事と外構工事が絡むところがあります。それが、外構電気工事です
この外構電気工事を建物の電気工事業者に依頼したところ、とんでもない高額な見積を出されたので、外構電気工事は自分でやることとしました
外構電気工事
外構電気工事とは何でしょうか?
簡単に説明すれば、建物の外部の照明の電気工事です。今回のマンションの電気の配線図で説明しましょう
建物外の照明は全部で5箇所、エントランスのダウンライト、植栽のポールライト2つ、駐輪場のキューブライト、ゴミステーションのキューブライトです
EEスイッチとエントランスのダウンライトは建物工事としてすでに設置済みです
エントランスのダウンライト
問題は、2つのポールライトと2つのキューブライトを自分でDIY工事しないといけないと言うことです。一応、建物の電気工事屋さんに打診しましたが、材料抜きで6人日ぐらいの見積が出てきました。6人日とは、日当の6日分ということです。確かに、外構屋さんとの打ち合わせや実際の器具の加工や設置などで6回ぐらい現場に来てもらわないといけない気もしますが、ちょっと高すぎでしょう!という値段です。悪くは言いたくないですが、断る口実として高めの代金を回答する工事屋さんは多いです。また、エンドユーザーからは直接、受注したくないという職人も多いです。金額的には下請けより儲かるはずですが、訳のわからない素人相手に仕事をするのが嫌いな職人さんも多いのです
プルボックスの作製
では、外構電気工事をどのようにやるか紹介しましょう
電気工事士の資格を持っている人であれば、何のこともない簡単な配線図です。既存のダウンライトとEEスイッチの回路を切断して、ライトを4つ並列に接続するだけです
問題は、これを外構用設備にすることです
まずは、プルボックスの作製です
コネクターを差し込む穴は、マイナスドライバーとハンマーで打ち抜きます
コネクターを取り付けてPVボックスの完成です。材料費は、ボックスが数百円、コネクターが数十円という値段です
さあ、これを持って現場に行きましょう!
プルボックスの設置と配線
やることは単純です
まずは、プルボックスを建物に固定します。外壁はALC(発泡コンクリート)と比較的柔らかい素材のため、普通のネジでは強度が保てず、固定には専用のALCネジを使います
まずは、適当な場所にプルボックスを固定します
EEスイッチとダウンライトの接続を途中で切断して、差込みコネクターで5箇所の電気に分岐します
興味のある方のために詳しく解説しましょう
管が6本あるのは、EEスイッチ(電源)、ダウンライト、ポールライトx2、キューブライトx2の6つの配線ためです
すでにダウンライトは使用中で、残りの4つのライトは、外構工事が終わってからの接続のため、今は、電源とは接続しません
方法としては、
・EEスイッチとダウンライトは、3本差しの差込みコネクターに差し込んで接続し、点灯できるようにします(コネクターの1口は余らせておきます)
・他の4つのライトの配線を5本差しの差込みコネクターに差し込んでおきますが、電源とは接続しないです(コネクターの1口は余らせておきます)
これで、ダウンライトだけがEEスイッチで夜間に点灯します
外構工事が終わったら
・4つのライトを出来上がった外構に取り付けます
・5本差しと3本差しの余っていたコネクターの1口を配線で接続します
これらを行えば完了の予定です
プルボックスのコネクターの先には、必要な長さのPF管をつなぎ、中に電線も入れておきます
蓋を閉じて出来上がりです
写真下部の薄い青い線から下がコンクリートに埋まってしまいます。テープで止めているのは管がまっすぐコンクリートで固定されるためのものです。コンクリートの打設が終われば、白いテープとダンボールは除去します
ちなみに、電気工事士の試験にも出ますが、建物用のフレキシブル配管には2種類あります
・CD管:室内やコンクリート埋設など隠蔽用:オレンジ色
・PF管:隠蔽用、外部露出どちらでも可:ベージュ色
PF管は、耐候性と自己消火性(火がつかない)があり、CD管にはそれらがないです。よって、屋外で露出する場合はPF管にしなくてはいけないです。たまに、屋外にCD管が使われているのを見ますが、明らかな間違いです。日光の当たるところであれば、もろくなって割れてしまう可能性が高いです
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今回、ホームセンターで盛んに宣伝していたゴリラテープというものを固定に使って見ました。このテープ、宣伝通り、半端ない最強の粘着力でした
引用:ゴリラテープHP
コンクリートの打設が終わったらテープを剥がして出来上がりです
あとは、4つのライトの位置を外構工事屋さんと打ち合わせて下準備は終了です
まとめ
DIYは嫌いではないのですが、正直面倒です。でも、業者に頼むのは費用がかかりすぎる場合は、重い腰をあげて仕方なくやる方針です。まあ、作業自体は嫌いではないので、道具と材料だけを用意していただいて、作業だけするのであれば大歓迎です
今回の外構電気工事は、電気工事と外構工事の両方に精通していないと、それぞれの工事屋さんに迷惑をかけてしまいますが、これを第3者に頼んでいたらお金がいくらあっても足りません。新築のマンションを建てる普通の建築主さんならこんなことはしないと思いますが、私は、自分がやったほうがメリットあると思っているからやっているのです
これが私のDIYをやるやらないのの基準です。DIYが好きなのか、嫌いなのか、自分でもよくわからないです
外構工事が終了し、照明器具を取り付けられるなったらまたレポートしたいと思います
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デベロッパー曜日、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました