このペナルティーは厳しいでしょう!
目次
不動産賃貸で2億稼いて懲戒
こんなニュースが報道されていました
無許可で不動産賃貸、約2億円稼ぐ 仙台市教委が教諭を懲戒
産経新聞:2020.3.26より引用
仙台市教育委員会は26日、無許可で不動産賃貸を行い、副業を原則禁止する地方公務員法に違反したとして、市立高校に勤務する50代の女性教諭を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分にした
市教委によると、女性教諭は、仙台市内で平成10年に戸建て住宅1棟の賃貸を始め、さらに17年から30年までに集合住宅6棟、戸建て住宅2棟など計11件の賃貸を行い、約20年間で1億9500万円の収入を得ていた
さて、このニュースを見て、自分なりにどのように理解すればいいのか、自分の知識が乏しいので少し、調べてみることにしました
国家公務員法と地方公務員法の副業について
国家公務員法:第103条(私企業からの隔離)
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
地方公務員法:第38条(営利企業等の従事制限)
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない
以上のように、公務員が副業を行うことは、法律で禁じられているんですね
◇
ただし、公務員の不動産賃貸経営については以下のルールでの運用もあるようです人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について(昭和31年8月23日職職―599)(人事院事務総長発)最終改正:令和元年7月1日職審―47第1項関係
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
青色申告でいう事業規模:5棟10室未満はまあ認めてあげましょうかと言うのが現場の運用なんですね
ネットで調べると、家賃収入500万円まではOKみたいな情報もありました
現実は厳しい公務員の不動産投資
昨年、日本政府はサラリーマンの副業を推奨し始めました。これは、老後2000万円や年金の原資の不足の問題とも密接に絡んでいるようですが、これらの問題は、サラリーマンだけではなく、公務員にとっても同じ問題なはずです
ちなみに、日本には、国家公務員が約64万人、地方公務員が約275万人いるそうです。これらの人の中から、不動産投資を始めてみたいと考える方もたくさんいると思われます
しかし、上記の報道や実際の法律を考えると、現実は厳しいものがあると想像できます。処分を受けることによるその後の仕事への影響は少なからずあると思います
◇
とはいえ、政府がサラリーマンには副業を奨励するのに、公務員はなぜダメなんだ!矛盾しているじゃないかという意見もあるかもしれません。しかし、それは無理な話だと思っています
民間企業のサラリーマンは、会社の業績が悪くなればボーナスは大きく減額され、場合によっていはリストラされることもあります。しかし、公務員は、リーマンが来ようが、コロナが来ようがボーナスは基本給の5ヶ月とかですし、リストラもありません
このような強力な権利をもっている公務員が、副業に関して民間企業のサラリーマンとすべて同じ条件であるとすれば、逆に不公平なことだと思います
まとめ
高属性な公務員は、銀行の融資も受けやすいという噂もありますし、それを利用して不動産投資をしている公務員の方の話もよく聞きます。しかし、民間企業のサラリーマンでは考えられないようなペナルティーと隣合わせで不動産投資をされている事を、今回のニュースから学ぶことができました
◇
サラリーマン大家道、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました