不動産投資でFIREを達成しました!!

デベロッパー曜日06:海の上にマンションを建てる

本コラムは「収益物件数 No.1 国内最大の不動産投資サイト楽待(らくまち)」に筆者が1年前に投稿したものです                                                  
テリー隊長
テリー隊長

投資のリスクは最小限にしたつもりでしたが・・・

工事の進捗

2019年12月1日撮影:
足場と囲いが設置されました。前面が空いているのは、このあとALCボードがクレーンで各階に運び込まれるためです

12/5に無事、確認会社による中間検査が終了しました。建物工事的には山を超えた感じです

2019年12月7日撮影:

鉄骨の各部の溶接が完了したので、建物内部に入って5階まで上がってみました

新興の住宅街のため、周囲にあまり建物がなく眺望は360度、非常に良好です。重量鉄骨は、柱同士のスパンが大きく取れるため空間の自由度が大きく将来の部屋のレイアウト変更も柔軟に出来ます。正直、この開放感であれば、最上階ワンフロアを自分の自宅にしてもいいのではないかと思いました

12/10に各階の床コンクリート、1階の立ち上がりコンクリートが打設されます

2019年12月12日撮影:

建築士のMさんより、写真が送って来ました。コンクリートの打設が終わりました。きれいに仕上がっている感じです。年内にALCの外壁工事が終わる予定です。週末に現場に行って確認してこようと思います

残されたリスク

今回のマンション建設、設計、施工、融資をスピードを持って検討し、売買契約前に投資のリスクは最小限にしたつもりでしたが、どうしても契約までに明確にできずにリスクをかかえたままになってしまった項目があります

それが

地盤

です

地盤の強度は、ボーリングなどの地盤強度測定を行わなくてはなりませんが、契約までの1週間前後の時間にそれを行うのは不可能です。もし、地盤強度の数値が悪かった場合

1.杭工事のコストアップ
2.建物躯体(鉄骨)のコストアップ

というダブルパンチを食らうことになり、計画全体への影響が大きいです

東京23区標高地形図

東京都23区の地盤について知りたければ、海抜と標高の地図を見れば一目瞭然です

地理・地学に興味のある方は、海進(かいしん)という言葉を聞いたことがあるかもしれません。今から約12万年前の下末吉海進約6000年前の縄文海進において、地球の水面が上昇し、下の地図の青い部分は元々、低地であったためになっていました

出典:国土地理院
「デジタル標高地形図」より引用

また、下図は、縄文時代の縄文海進(約6000年前)のころの関東の海岸線の表しています。日本で2番めに大きい霞ヶ浦もこの頃の海の名残です

出典:葛飾区HPより引用

これに対して、23区の西側は元々、武蔵野台地、山手台地という堅い岩盤で形成されています。ただし、場所によっては、小さい河川の浸食や体積により、谷のある起伏のある地形や軟弱地盤の土地になっています

このように、東京都23区の東側西側では、その地盤、すなわち地下の構造が根本的に違います。わかりやすく言えば、西側は約70万年に形成され岩盤化した土地、東側は約6000年ぐらい前には海であった土地です。

当然のことながら、東側の地層は、河川によって運ばれた土砂が海底に堆積した地層であり、まだしっかりと固まっていないため、地盤は地下何十mに渡って軟弱です

そして、今回の土地は

東京の東側

にあるのです

まさに、

海の上にマンションを建てる

感覚です

軟弱地盤との戦い

木造と違い、重量鉄骨造やRC造は、建物重量が重いため、強度の高い地中の支持層(岩盤)に杭を打ち込んで基礎を形成します

東京23区の東側は地下数十mに渡ってほとんど強度のないシルト(泥)であることは仕方がありません。問題なのは、支持層=硬い砂(元海底)までの深さが何mかと言うことです

今回、土地売買契約前の建築費見積では、

支持層まで30m、杭の施工費1,000万円

と見積もりました

一刻も早いボーリング調査を行って、地下の何十m下に支持層があるか計測したいわけですが、なにせ土地はまだ売主さんのものです。とりあえず、ボーリング調査の依頼を業者にしたところ、ボーリング調査会社からとんでもない近隣データが提示されました

支持層まで44m!

さあ、大変です

 基礎工事は、鋼管杭を用いて行いますが、深さが約1.5倍になれば、材料費も工賃も約1.5倍以上になります。一般的に言えば、杭を長くすればするほど地震などに対する強度を上げるために太い鋼管を使う必要があり、その分、材料費が高くなります

さらに、杭の深さに対応して強度を増す必要があれば、建物本体の鉄骨も太くて強度の高いものにする必要があります。当然、建築費も高くなり、工期も伸びます

もし、この土地の支持層が45mくらいにあった場合、

500~1,000万円のコストアップ!

の覚悟が必要です 

注)コラム最後に訂正あり

売主との交渉

一刻も早くボーリング調査をしないと!

しかし、引き渡し前に人の土地のボーリングをすることはできません。この土地には売主さんが住む家が建っていて、2019年3月の末の引き渡しまでに売主さんは

・引越し
・建物解体
・確定測量

を完了しないといけません

そこで、売主と交渉とし、引越しの合間を縫って敷地内の空きスペースにてボーリングを行うことの了解を得ました。土地決済前にボーリング工事をするなんて前代未聞です

一同、かたずを呑みながら、ボーリングの結果を待ちました

結果は

ピッタリ30mに支持層ありました!!

ヤッター!助かりました。これで予算通り、建築が進められます

2011年3月11日の東日本大震災では、千葉県浦安市の埋立地の建物に大きな被害が出ました。写真のイトーヨーカドーの周囲は、液状化により、地番が50cmほど下がりました。これは、この建物が地下の支持層(岩盤)に杭を打ち込んでおり、その周りの軟弱地盤が液状化して地盤が沈下したものです。「抜け上がり」と言います。実際、建物と支持層と杭の位置関係には、傾きや沈降はなく、周りを埋め戻してビルは復旧しました

出典:日本経済新聞電子版
2011年3月22日号より引用

これに対して、お向かいのセブンイレブンは軟弱地盤の上にベタ基礎で建てられていたため、軟弱地盤の流動化により大きく傾いてしまいました。こうなると復旧作業は、お金も日数もかかる非常に大掛かりなものになります

出典:日本経済新聞電子版
2011年3月22日号より引用

東京東部の元々海であったところに投資不動産を建てるということは、まさに

海の上にビルを建てる覚悟が必要

ということのようです。特に少し前まで海だった埋立地は、要注意です

その他の準備

ボーリング調査とほぼ同時期に、建築看板を設置しました。建築確認の申請は、建築看板を1ヶ月設置した後でないとできません。このため、建築看板の設置は一日でも早く行いたいものですが、土地の引き渡し前に、設置を許可してくれた売主さんには、ボーリングのことも含めて感謝です

建築看板の設置に続き、近隣の住民への説明を行います。この説明は、建築確認申請の前の段階にある「事前協議申請」で必要なためです。建築士のMさんと近隣をまわりましたが、いい人ばかりで非常に効率的に挨拶回りが終わりました。何も紛争が起らなかったことは、幸運であったと思います

デベロッパー曜日、まだまだ続きます

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました

訂正(2019年12月13日)
建築士Mさんより連絡
「杭が大きくなると、基礎は大きくなり本体コストアップにつながりますが、鉄骨柱が太くなることはないと思います」

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