建物工事の電気屋さんに防犯カメラの設置を依頼する方法
目次
共同住宅のセキュリティー
入居者の安全を守る設備として
・オートロック
・防犯カメラ
がありますが、防犯と言う観点で考えると、両者を設置することにより、より高レベルな防犯を達成できる気がします
■ オートロック
オートロックは、訪問販売を断りやすい、入居者以外をシャットアウトしやすいという利点がありますが、不審者が入居者と一緒に建物に侵入することができてしまうという欠点もあります
オートロックのメーカーシェアは、アイホンが圧倒的で、パナソニックが続きますが、両者でシェアの90%以上を占めており、価格競争による値下がりが起こっていません
オートロックの工事見積をみると、10世帯ぐらいのマンションでも70~100万円ぐらいかかることがわかります。値段を考えるとなんとか代替手段がないかと考えてしまう値段ですが、どこの賃貸マンションも設置している中、コスト削減の目的だけで設置しない選択肢は選べません
引用:アイホン HP
■ 防犯カメラ
防犯カメラは、直接、人の侵入を防ぐことはできませんが、画像を録画しているという無言のプレッシャーで不法侵入者や不法行為を未然に防ぐという大きな利点があります
さらに、防犯カメラの用途は、賃貸住宅だけでなく、様々なシーンが考えられ、世界中の様々なメーカーが参入しており、競争による機器の価格低下が見られます
しかし、機器だけ買っても賃貸住宅の建物への設置ができなければ意味がありません。実際、新築工事において、防犯カメラの設置工事の見積は、仕様にもよりますが、機器込みで50~100万円位かかるようです
機器が劇的に安くなっても、工事業者に丸投げではこのようになってしまうのは仕方がありません
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そこで、私は、2年前と今回の新築工事おいて、電気屋さんへ依頼する工事を最小化し、残りは自分でやる方法を用いました。この方法であれば、工事+機器の総額で10万円ぐらいのコストで導入が可能です
これができるようになったもの、約10年ほど前に、自分の物件において、自分ですべての防犯カメラ工事を行った経験があり、商品知識や工事の方法に関する知見がが高まったからだと思います
とはいえ、私のやり方はあまり難しい方法ではないと思いますので、新築を建てる方にはぜひとも検討して、マネしてほしい方法です
防犯カメラ工事
まず、電気工事屋さんと私の工事の分担です
■ 電気工事屋さんにお願いした作業
・ケーブルの設置(配管使用)
・カメラの固定
・キャビネットの設置(AC100Vつき)
■ 自分で行った作業
・レコーダーのキャビネットへの設置
・カメラの調整
・レコーダーの設定
さすがの私でも、新築の建物工事にまぎれて、自分で電気工事をするようなことはしませんし、現場監督は、それを許してくれません。よって、私が何かを行うのは建物がすべて完成してからになります
これに対して、電気工事屋さんとは早い段階から打ち合わせを始める必要があります。主にお願いするのは、
・ケーブルの設置
・カメラの固定
・レコーダー収納のためのキャビネットの設置
です。キャビネットの中にはレコーダー用のコンセントを用意してもらいます
これらの打ち合わせをするためには、早い時期にカメラとレコーダーの製品を決めておく必要があります
防犯カメラ+レコーダーセット
私が今回を含めて、これまでに3回導入したのはこの製品になります
引用:防犯ステーション
ネットで約36,000円で購入しました
・ガンタイプ・カメラ2台
・ドームタイプ・カメラ2台
・レコーダー(最大4台用)
・ケーブル(イーサーネットCat6)
がセットになっています。カメラの種類と組み合わせ、台数は自由に選べます
商品を手に入れたら、ケーブルとカメラを電気工事屋さんにあずけて、工事を依頼します。渡す時期もあまり早すぎると電気工事屋さんも困るので、宅内配線が始まった頃を狙って渡すのがいいです
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さて、防犯カメラを選ぶときにおすすめなのが
PoE給電タイプ
であることです
このことについて以下に説明します
PoE給電
PoE給電は10年ぐらい前から使われ出した規格で、ケーブルにイーサーネットケーブルを使いますが、防犯カメラ特有の規格ではないです。イーサーネットケーブルは、複数の線で構成されているので、その一部をカメラの信号線、一部を電源線として利用する標準規格です
この技術のメリットは、機器に対して
電源供給のためのACアダプターを
用意する必要がない
ことです
つまり、下図のように、防犯カメラを設置する場合、PoE給電であればイーサーネットケーブル1本ですむというわけです。PoE給電の技術が出る前は、カメラへは、映像のケーブル(同軸)と電源ケーブルの2本を用意しなくてはならず、配線の設置が非常に面倒でした
引用:防犯ステーション
PoE給電であれば、カメラ1台に対してイーサネットケーブル1本で済むため、電気工事屋さんへの依頼も簡単です
将来のことを考えて、配管でのケーブルの設置をお願いしますが、
従来:同軸ケーブル+電源ケーブルの2本
vs
PoE給電:イーサーネットケーブル1本
では、配管の太さ、配管や線の通しやすさも相当な差があり、工事費にも大きな差が生じます
PoE給電のためのカメラ用の電源装置はいりません。レコーダーから供給されます。また、インターネットの環境があれば、外部からライブの画像や録画の画像を見ることもできます
PoEの規格(IEEE802.3at)では、信号伝送距離は100m、電力は30Wの上限がありますので、機器の購入前には販売店にてご自身の設置環境に対応できるかどうか、念のため、確認することをおすすめします
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また、電気工事屋さんに防犯カメラ工事を丸投げで頼む場合、普通は断られることが多いです。なぜなら防犯カメラ工事は、専門業者が行うことが多いからです
そこを、安価に建物の電気工事屋さんに、建物の電気工事のついでにお願いするのですから、依頼内容はなるべくシンプルにしなくてはいけません
電気工事屋さんの作業が完了
電気工事屋さんの作業は、コンセントやスイッチなど最後の最後まで続きます。防犯カメラの工事も最後の最後で終わりました。もちろん、配管やキャビネットの設置は、適当なタイミングで行ってもらっています
4台の防犯カメラの設置
カメラは
・ゴミステーション(ゴミの不法投棄防止)
・駐輪場(自転車の盗難防止)
・エントランスホール
・エレベーターホール
に設置しました
上記2つは、威圧感を出すためにガンタイプ、下記2つは、室内のためデザインを重視してドームタイプにしました
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私の他の物件においも、ゴミはゴミステーション+防犯カメラを用いています。これにより、入居者以外の不法投棄の問題は全く発生していません。また、ゴミステーションを道路に面して設置しているので、ゴミ出しを第三者に委託する必要もありません
キャビネット(600x600x150)の設置
レコーダーを収納するキャビネットも設置していただきました
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ここまでが、電気工事屋さんにお願いしていた工事ですが、建築会社に4台の防犯カメラ+レコーダー工事を丸投げした場合、
機材+工事費で50万から100万円
の費用がかかると思います。これに対して、私のやり方なら
機材+工事で10万円以下
に抑えることができます
プロパンガスと抱き合わせて防犯カメラを導入する方もいるようですが、プロパンガス会社も50万円から100万円のコストを、入居者さんが払うガス代から回収しているわけですから、タダほど高いものはないにならないように気をつけたいです
まとめ
建物の新築のときに、電気工事屋さんに、お願いする方法をまとめましょう
1.カメラを渡してここに固定してほしいと位置を指定する
2.レコーダー収納のためのキャビネットの設置をお願いする。キャビネットの大きさはレコーダーが十分収まるもの。中に固定用の板のあるキャビネットにしてください。レコーダー用にコンセントを一口お願いしてください
3.カメラとキャビネットをCD管16mmでつなぎ、中に支給したケーブルを設置してもらう。ケーブルの一端はカメラに接続してもらう。もう一端はキャビネットの中に出してもらいます
ケーブルは余裕を持った長さを支給してください。余ればキャビネット側でカットして、イーサーネットのコネクターをつければいいだけです
新築の場合は、値段は交渉次第ですね。私は、監督さんの許可を得て、電気工事屋さんに直接工事を依頼できたので数万円で請け負ってもらいました
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中古の物件にあとから防犯カメラを取り付けたい方も多いでしょう。やる気があれば、露出でいいのでカメラ、配管またはモール、キャビネットをDIYで設置し、防犯カメラを取り付けることもできます
私も自分の物件に、自分で防犯カメラを設置したことがありますが、賃貸広告に防犯カメラ完備と記載できるのは、物件のバリューアップにとても効果があると思います
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このあと、私の方で、このキャビネットにレコーダーを設置し、カメラの調整を行います。これについては、次回以降のコラムでご紹介したいと思います
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デベロッパー曜日、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました