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デベロッパー曜日29:エレベーター設置の費用対効果

本コラムは「収益物件数 No.1 国内最大の不動産投資サイト楽待(らくまち)」に筆者が1年前に投稿したものです                                                  
テリー隊長
テリー隊長

エレベーターを設置しないわけにはいかないでしょう!

エレベーターの悩み

中古の賃貸マンションを購入するとき、エレベーター付き物件を避ける方は多いようです

理由は

・老朽化による更新費用が高い
・月々のメンテナンス費用、修理費用が高い
・電気代が高い

と言ったところが主な理由でしょうか?

一般的にエレベーターの寿命は、20年~30年ぐらいです。築30年の中古マンションを購入する場合、運悪ければ、すぐにエレベーターの更新(入れ替え)をすることになれば、何百万円の出費が必要になるかもしれません。だからと言って、その分を購入時に値引きしてくれるはずもなく、エレベーター付き物件を購入した途端に大きなリスクを抱えることになります

とは言え、3階建てなら、ならエレベーターは必要ないですが、4階建て、5階建ての中古賃貸マンションでエレベーターがない物件が売りに出ていたら、どのように判断すればいいのでしょうか?これはなかなか、難しいですね

4階建てでも、3階と4階が1世帯になったメゾネットで、玄関が3階の物件は、エレベーターは必要ないかもしれません。しかし、4階や5階が玄関のお部屋は、相当厳しいことになることはまちがいありません。できることならエレベーターがほしいですが、やっぱり、上の3つが気になります

そこで、今回、私が新築した5階建てマンションに設置したエレベーターのコストについて、ご紹介しすることによって、エレベーター設置について考えたいと思います

5階建て新築マンションとエレベーターの設置

今回の新築は、都内に土地から購入して建てたものなので、どのような構造の建物にするかは、2つの方向性がありました

1.木造3階建てで建築費を抑えて利回りを稼ぐ

2.鉄骨造でできるだけ高く、容積率いっぱいの建物を建てて売上と利回りを稼ぐ

1の利回りは、2を若干上回りましたが、2の方が耐久性に優れ長期の投資としては魅力的です。売上の拡大は、事業の拡大になりますので、大きいものが問題なく建つのであれば、2を選ぶことにしました

次に、容積のチェックをすると5階建てが入る土地だとわかりました

さて、エレベーターです。都内には、5階建て賃貸マンションでエレベーターがない新築建売物件をたまに見かけます。そういった物件を得意としている建築会社がいくつかあるようです。エレベーターがない分、建築コストの削減と部屋の面積を稼げることがメリットです

私のセンスでは、5階建てでエレベーターなしは、賃貸経営上のリスクがあり選択できません。かといって、苦労して探した5階建てが建つ土地に4階建てを建てようとも思いません。4階建てエレベーターなしメゾネットタイプにしたとしても利回りの低下が心配です

結論としては、5階建てマンションでエレベーター付きを選択することになりました

費用

かかる費用は、中古マンションのエレベーター関連の費用と項目的には全く同じです

・新設費用
・月々のメンテナンス費用、修理費用
・電気代

順番に見ていきましょう

■ 商品

このマンションは、各階2世帯ずつの小さなマンションですので市販のエレベーターの中で最も小型であるA社の3人乗りの商品を選びました

値段は、すべての機器、オプション、設置費を含めて

約500万円(税抜)

です(出精値引き後)

■メンテナンス費用

エレベーターのメンテナンスは、大きく2つの方式があります

1.FM契約:フル・メンテナンス(Full Maintenance)契約

点検や調整、故障時の部品代や工賃などすべて入っている契約です。何があって追加費用がない契約なので安心ですが、費用は高額です

POG契約:部品(Parts) オイル(Oil) グリース(Grease)契約

機器・装置の点検、清掃、給油、調整などをするが、部品交換や修理工事などは、その都度発注するもの、費用は低額です

一般的には、これから新設するエレベーターであれば高品質なものがほとんどなため、設置後20年ぐらいは、大きな費用の必要となる故障は発生しません。そこで、最初は、POG契約にし、費用を抑えて貯金しておき、大きな修理が必要になれば、自費で払うほうがトータルでは費用を抑えられます

途中からFM契約にすることはできなくもないですが、高い契約料を請求されることは間違いないです

さて、次は、どの会社とメンテナンス契約を結ぶかです。これも大きく2つあります

1.製造メーカーのメンテナンス会社

2.独立系メンテナンス会社

当然、製造メーカーのメンテナンス会社は、安心感があります。建物オーナーは、エレベーターの設置のときから何かといって、この会社のお世話になるので、そのまま、契約される方も多いですが、金額は、非常に高いです

これに対して、独立系は、建物オーナーが数多くある会社から、自分で見つけないといけないのとメーカー系を断らないといけないという面倒が伴いますが、値段は非常に安いです

私にとっても初めてのエレベーター付き物件ということで、この辺りのノウウハを持ち合わせていませんでした。ネットでいろいろと調べると、独立系と言っても上場企業もあり、評判のいい大手3社に見積もりを取り、その中から一番安い会社と契約しました

・POG契約(年1回点検)
・法定検査代行(年1回)
・直話監視サービス(電話代込)

月7500円(税抜)

です。メーカー系はこの数倍の値段でした

独立系と契約したもう一つの理由は、将来の入れ替えのときにいくつかのメーカーの紹介を受けられ、選択肢が増えそうかな?と思ったからです

■電気代

最近のエレベーターは省エネ化が進んであり、電気代もあまりかりません。その上、電源は単相200Vなので、独立した電気の引き込みも必要なく、マンション共用の照明やオートロックと共通の電力メーターを使うことができます

このため、エレベーターの電気代だけを知ることはできませんが、共用部の電気代が大体、月4000円ぐらいなので、エレベーターだけで多く見積もっても

月に約3000円

ぐらいではないでしょうか?

ということで、エレベーターの月々の費用は

約1万円

ということになります

エレベーターの設置に関する考察

さて、小型の4階、5階建ての賃貸マンションを建築するときに、かかる費用は

設備費:約500万円
ランニングコスト:約1万円

ということがわかりました。もちろん、中には、建築会社などの言いなりでこの倍以上の費用を費やしている建物オーナーさんもいるかも知れません

エレベーターの寿命は、20年~30年ということなので、仮に25年後に同じ費用で入れ替えをした場合、1年あたりの設備費は、

設備500万円÷25年=年20万円
=月約1.7万円

ランニングコスト(メンテ契約+電気代=約1万円)を合わせても、

月に約2.7万円(設備費+メンテ代)

のコストでエレベーターを新築物件に設置し、維持できます

いやいや、エレベーターは故障が多くて、修理費をかかるのでは?と考えている方も多いと思います。確かに、機械なので消耗して壊れたり、交換しなくてはいけない部分はありますが、実際、建築現場で見たエレベーターの内部構造は、驚くほど単純でした

今の電気機器と30年前の電気機器を同列に考えてはいけません。私の勤め先の自社製品でも同じことが言えます

このマンションは、10世帯ですので、エレベーターの設置費+メンテ代は1世帯当たり月2700円。もし、20世帯なら1世帯当たり月1350円の費用増加です

もちろん、エレベーター設置による床面積の減少というマイナス部分もありますが、エレベーターって意外に低コストだと思いませんか?

まとめ

中古の賃貸マンションを購入するとき、エレベーターなしの方がいいと考える気持ちはよくわかります

しかし、4階以上の新築で、費用対効果を考えて、エレベーターなしを選択する理由はほぼないと言えます

デベロッパー曜日、まだまだ続きます

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました