イエローストーンの山火事とコロナに負けない人間の英知
目次
イエローストーン国立公園の山火事
アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園は、1872年に世界で初めて指定された国立公園です。アメリカの西部、アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがるイエローストーンの広大な森林地帯は、2万年前までは氷河で覆われていました。氷河期が終わったあとも、火山性の大地には、植物もあまりなく、野生動物もほとんどいませんでした。イエロースローンと言われるのは、火山から噴出した硫黄が大地を覆っているからです
氷河期が終わり約2万年、現在のイエローストーンは、森林に覆われ、熊、バッファロー、エルク、鹿、リスなどの野生動物の宝庫になっています
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イエローストーンでは、落雷や自然発火により、数年ごとに山火事が発生します。しかし、現在、基本的に山火事の消火活動は、行わない方針がとられています
理由は、科学者の研究により、イエローストーンの森に生える木々の中に、山火事による高温にならないと種子を拡散しない松かさを持った松があることがわかかりました。つまり、この松は、山火事の起こったタイミングで種子を放出して種族を繁栄させてきたのです。この松の進化により、イエローストーンが黄色い荒野から緑豊かの変化してきたこともわかってきました。焼け焦げた木々は、別の植物や菌類の養分にもなり、その植物を食べる動物や鳥たちも森にやってきます
このように、イエローストーンの山火事は、動植物の拡大に、なくてはならないことが研究からわかってきたのです
この事がわかった1970年以降は、イエローストーンでの自然発火による山火事の消火は基本的に行わなくなりましたが、1988年の大規模な山火事では、東京都の数倍もの面積の森林が消失し、たくさんの野生動物が焼死しました。しかし、その後の森林の回復するスピードは、山火事を消火していた頃より早く、野生動物の数も山火事を消火していた頃以上に回復しているようです
山火事のように訪れる経済的危機
自分の50年余の人生の中でも
・オイルショック
・平成バブル崩壊
・ITバブル崩壊/9.11
・リーマンショック
・東日本大震災
・コロナショック
と10年前後で訪れる経済的な危機を経験してきました。それは、ある意味、イエローストーンの山火事に似ているような気がしています
少なくとも、人類がいない頃、山火事が消火されることはありませんでした。そして、数多くの山火事を繰り返したおかげで、イエローストーンは黄色い荒野から緑あふれる森林地帯に変化することができました
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では、人類は、経済危機を見過ごして、対策を打たない方がいいのでしょうか?
もしかしたら、自然の摂理からから考えれば、イエローストーンの山火事のように何もしないほうが、その後の発展があるのかもしれません。しかし、経済危機に伴う人類の犠牲を、何もせずにすべて受け入れるのは、現実的には、少しきびしいでしょう
ただ気をつけないといけないのは、過去には、各国の政府が、大恐慌に対して中途半端な支援しか行わなかったことが原因で、第2次世界対戦が勃発したという説があります。間違った対応はかえって傷口を広げることもあるようです
また、リーマンショックのときのモラトリアム法、いわゆる「中小企業円滑法」による中小企業の救済が、その後の日本のイノベーションや変革の障害になっているのではないかという説もあります
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自然の摂理(神の手)に任せるか?人類の英知で危機を克服するべきなのか?難しい問題です
不動産投資進化論再び
経済危機と国家の対応のような大きなレベルの話になりましたが、我々、個人の不動産投資家レベルでは、今回の新型コロナショックへの対応はどうすればいいのでしょうか?
この件については、
私の2019.12.20のコラム:不動産投資進化論
でも述べたように
変化は突然やってくる
ものであり、変化が起きてから、情報を集め、学習をし、何かを対策しようとしても
時すでに遅し
で、もう運を天に任せるしかないのかもしれません
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「変化できたものだけが生き残れる」という間違った進化論の理解をしている人が多いようです。生物は、危機において生き残るために、自ら変化したりはしません。ダーウィンが説いた進化は、単にDNAの突然変異と自然淘汰の繰り返しの結果です
干ばつが来た時に、象が鼻を伸ばさなくちゃと思っても、鼻は決して伸びません。また、将来の干ばつに備えて象がすこしずつ鼻を伸ばして生き残ったわけではありません。環境の変化ぐらいでDNAは変化しないからです
同じく、山火事が来ることを知っていた松が、火災を察知して、種族を繁栄させようと、自ら、「生き残るための変化」を行ったわけではありませんし、そんなことをしているうちに松は丸焦げです
イエローストーンの賢い熊になれ!
「変化したものだけ、適応できたものだけが生き残れる」という間違った進化論を信じていたら、未曾有の危機において、生き残ろうとしても生き残れません
では、我々はこの未曾有の危機に対してどうすればいいのか?まず大切なことは、どんなに暗い夜でもいつかは夜が明けて朝が来るのです。夜明けを待って、みなさん、
希望を持ちましょう!
TVやSNSは、ネガティブで不安を煽るような話ばかりですが、今となっては、小手先の対策は全く役に立ちません。不安を増長させる話もたくさんありますが、冷静に行動する事が大切です
そして、生き残るための答えは、
イエローストーンの賢い熊になれ!!
です
Yellowstone National Park, USA 2019
つまり、熊のように、山火事になったら、逃げて逃げて逃げまくるしかないのです。今は、必死に生き残ることを考えましょう。1988年の6月に発生したイエローストーンの山火事は、冬になり、雪が降るようになってやっと沈下したようです。火の恐怖と食べ物の欠乏で熊は大変な思いをしたと思います。しかし、そこまで生き残ればいいのです。でも、生き残れたのは賢い熊だけだったのでしょう
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新型コロナがいつ沈静化するかはわかりませんが、開けない夜がないように、いつかは終わることでしょう
私もがんばります!みなさんも、ご自身の
センス・オブ・サバイバル
をフル回転させ、なんとか生き残ってください!!生き残りさえすれば、きっと
いいことが待っているはずです
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サラリーマン大家道、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました