賃貸アパート、マンションの共用部は変更したほうがいいですいです
目次
新電力会社
TVで盛んに新電力会社のCMが流れていますが、新電力会社とはなんでしょうか?
簡単に言えば、これまでの大手電力会社10社以外の電力を供給する会社を新電力会社と言います。正式名称は、小売電気事業者といいます
では、大手電力会社と新電力会社は何が違うのでしょうか?
電力事業の中身は、発電・送電・小売の3つの事業に分かれますが、これまで、大手電力会社は、その地域の電力の3つの事業を独占してきました。正確にいうと発電に関しては、10社以外にも発電・送電のみを行うJ-Power社などもあります
日本においては、2016の電気の小売完全自由化により、電気の小売に大手10社以外が参入できるようになりました。これによって、参入してきたのが新電力会社というわけです
◇
後発の新電力会社が、顧客を獲得するには、当然、大手10社より有利な料金を提供する必要があります。新電力会社は、独自に発電所を持つこともできますが、低コストで発電する発電業者から電気を購入することもできます。もちろん、大手10社から電気を購入することもできます
例えば、低コスト発電が得意なA社があるとします。そして、A社の発電所と東京電力の送電網を接続します。新電力会社B社は、必要に応じて東京電力から顧客に電気を供給しますが、電気の仕入れはあくまでもA社からと言うことにします
これによって、新電力B社(売電)は、発電会社A社の安いコストの電気を顧客に供給でき、電気料金を下げることが可能になります
とはいえ、これを実現するにはやはり大手10社の手を借りないわけには行けないため、完全自由化といっても、大手10社の管理のもと行われるビジネスです。発電・送電・小売の3つのコストを上手くコントロールしなければいけないからです
実際、私の勤務する会社も新電力に参入しましたが、担当者の話では、何がなんだかわからない世界のようです。特に、太陽光などの再生エネルギーを発電に取り込んでいるため、気候や天気の変動に対して電力の仕入れをどのようにするかは非常に難しい課題のようです
不動産物件の新電力会社への変更
新電力会社の経営は、非常に難しいビジネスであることはわかりましたが、我々、電気の利用者は、あまり心配なく新電力に変更しても問題ないと思います
新電力会社のサービスに不安があったとしても、いざとなれば、大手10社に契約を戻せばいいだけなのであまり心配はいりません
実際私も
東京電力⇒新電力X社⇒東京電力⇒新電力Y社
などの切り替えをしてことがありますが、ネット経由なのであまり難しいことはありません。強いて言えば、検針のタイミングもあり、切り替えに最低1ヶ月~2ヶ月かかることぐらいです
◇
大家としては、入居者さんが、新電力に切り替えてもメリットもデメリットもないので勝手にやってもらっています。アンペア数を変えなければ、工事も必要ありません
大家として気になるのは、大家が払う共用部の電気代ですね。新電力に切れ換えればアパート・マンションの共用部の電気代は安くなるのでしょうか?
また、星の数ほどある新電力会社は、その会社を選べばいいのでしょうか?
大手vs新電力の電気料金
結論から言いましょう(ただし、検討をした東京地区のみです)
ほとんどの場合、新電力会社に変更したほうが、共用部の電気代は安くなります
では、おすすめの電力会社は?と聞かれてもすべてを検証したわけではないのでベストについて言えませんが、少なくと
基本料金なし
かつ
単価が安い電力会社
がおすすめです
◇
では、検証をしていきましょう。まずは、電気料金の比較です
大手電力会社:東京電力
新電力:LOOOPでんき
共用部のアンペア数が、30Aであったします。電気の使用料は、検針票などを見ればわかります、月300kWh以下と思われますのでそこまでを考えましょう
東京電力は、基本料金に加え、0~120kWhまでが19.88円、120~300kWhが26.48円の単価で電気料金が計算されます
LOOOPは、基本料金0円、電力量に関わらず26.4円の単価で電気料金が計算されます
グラフにすると以下のようになります
電力量300kWh以下であれば、どの電力量であってもLOOOPの方が電気代が安いことがわかります
燃料費調整額と再エネ発電賦課金は、会社に依らず同額のため上記グラフには入っていません
グラフから分かるように、120kWh以下の部分で両者の差が大きいです。私の物件でもそうですが、屋外・屋内照明、オートロックなどの賃貸住宅であれば、だいたい月120kWhの電力量ではないでしょうか?
最近、私の4つの物件で、東京電力からLOOOPへの変更を行いましたがその時の電気代の変化について公開します
電気代の変化
4つの物件の電気代の変化を以下に示します
データは、2020年5月のもので、A,B,Cは30A、Dは50Aの契約です。こちらはリアルな金額を示すために、燃料費調整額と再エネ発電賦課金が入った金額です
上記グラフからもわかるように、120kWh付近で東京電力とLOOOPの差が小さくなるため、電力量が120kWh付近の場合差が小さいことがわかります
結局、4物件の電気代の削減は、
月2,802円=年33,624円
となります。ただし、これは一年でも日照時間が長い5月のデータであることを考えると、年間4万円以上の節約になると思います。(共用部の照明はオートのため、日照時間が短いと点灯時間が長くなり、電気料金も増える)
新電力の切り替えは、検針票があれば、ネットですぐ申請できます。ぜひ、ご検討ください
◇
サラリーマン大家道、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました