楽待新聞タイアップ:不動産投資は、不動産の価格が問題ではないんです
目次
不動産価格の循環
私の2019.11.8のコラム:
サラリーマン大家道05:今後の投資不動産の市況
において、以下のような不動産価格の循環について書かせていただきました
不動産投資家の目線でいうと
A 景気拡大期(新規参入時期)
融資が積極的、フルローンもでるので新規参入が増えるが、高値づかみが多い、売るにはいい時期
B 景気停滞期(資産家有利期)
融資が閉まり、頭金20-30%が必要、現金があり、かつ属性がいい投資家が有利、金利も低め、物件価格も安い、売るには良くない時期
が繰り返されます
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2020年は、アベノミクス&かぼちゃバブル後のB景気停滞期に入り、徐々に不動産価格は下落すると予測していました
そして、今回の新型コロナショックによって、この不動産の景気後退に更に拍車がかかり、投資不動産の価格は更に下がって行くと予想します
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アベノミクス&かぼちゃバブル崩壊は、ある意味、5年から10年ごとに繰り返される、景気循環の中でフェーズが変わる時に起こった必然的なバブルの崩壊です
これは、世の中の需要と供給の関係から説明できる古典的な経済のテーマです。数ヶ月前の世界中の株高が、近い将来に修正されることは、多くの人が予想していました。
しかし、コロナショックに関しては、いわゆる
ブラック・スワン:予測不能な事態
出典:アマゾン・ドット・コム
で、想定外の世界経済に負の衝撃を与える出来事と捉えていいいと思います
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私の過去の経験から、今後の不動産市況の全体的な地合いは、
負の景気循環+新型コロナ
の感触を持っており、不動産価格は、徐々に値下がりしていくことは間違いないです。つまり
2018年から始まった景気循環の下げ
<に加えて>
新型コロナの下げ
の様相を呈し、不動産価格は大きく下落して行くと思います。そして、期間も5年から10年の下落が続きます。しかし、循環ですから、その後、価格は徐々に回復していくと思います
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では、本題から外れますが、今回の新型コロナショックは、不動産の買い時なのでしょうか?
安ければいいわけではない
結論から言えば、下げ相場での不動産投資はあまりおすすめしません。理由はいくつかあります
1つ目は、下げ相場ではあまりいい物件は、市場に出て来ないからです。それは、自分が売り主になった時を考えれば、わかります。財務が健全な人が、何らかの理由で優良不動産を売りに出そうかと考えた場合、上げ相場と下げ相場のどちらのときに売却を考えますか?
当然、上げ相場のときになるだけ高く売ろうとして、下げ相場のときに損切りしてまで売ろうとはしないでしょう
しかし、今回の新型コロナで本業が大きくダメージを受けて、虎の子の優良不動産を泣く泣く手放さないといけない企業や人もいるかもしれません。それについては心配いりません。そのような優良不動産は、我々の知らないところで、右から左へ現金決済で売れていってしまうからです
そして、収益不動産から得られる家賃収入は、過去のバブル崩壊時においても大きく値下がりすることもなく安定していました。そんな素敵な金の卵を産むアヒルを簡単に手放す人がいるとは思えません。市場に出てくるのは、金の卵を生むことができなくなった歳をとった安いアヒルばかりです
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2つ目は、融資の問題です。御存知の通り、かぼちゃ&スルガの事件以降、銀行の不動産融資はすっかり冷え込んでしまいました。おそらく、新型コロナの影響で、状況は更に悪くなるでしょう
そんな中、融資先を求めて様々な金融機関を渡り歩いて方もいるようですが、悪い条件を飲み込んでまで融資を取りに行くことは、収益物件が安く買えたとしても融資条件の悪さで相殺されてしまうような気がします。そして、今後、金融市場の信用不安が発生すれば、銀行も自分たちの保身に必死で、不動産投資どころではなくなると思います
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このように不動産の価格の安いことばかりに目を囚われて、ババを引く可能性が高いのが、下げ相場なのです。別な言い方をすれば、下げ相場の不動産投資は少し上級者向けの気がします
大切なのは価格ではなく、価値です
フェラーリ Portofino
出典:Ferrari.com
フェラーリ Portofinoの新車価格は、約3000万円。フェラーリは、私のあこがれの車です。もし、この車が大バーゲンセールで、1000万円で売りに出たいたら、買うかどうかすごく悩んでしまいますが、きっと買わないと思います。トランクが小さすぎて、ゴルフバックやDIYするための資材が運べません
「そんなこと言ったら、フェラーリなんて買えないよ」とフェラーリ乗りから言われたしまいそうですが、その通りなんです。私にとって、フェラーリは眺めるための車であって、自分で買う車ではないのです
何を言いたいかといえば、たとえ憧れのフェラーリが安売りをしていても、私にとって買う価値のないものは買ってはいけないのです
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不動産投資も全く同じです。新型コロナによる投資不動産の値下がりに舞い上がり、本当に価値のあるものか考えずに投資をしてしまうこと、条件の悪い無理な融資を利用すること。特に初心者の方には気をつけてほしいです
ネットの情報では、「こんな景気の悪いときこそ、安定した家賃収入が得られる不動産投資をしましょう」とワンルームマンションを売りつけようとする悪徳業者の活動が活発になってきたようです
結局は、その物件が本当に価値があるかどうかを数字をもって、自分で判断できるかどうかだと思います。価値がないものは買わない姿勢はいつの時も大切です
まとめ
新型コロナの影響で、不動産価格は下がると考えますが、下げ相場を過去に体験したことのない投資家や始めて投資をするにとって、少しハードルの高い投資環境になると思います
そんな中で肝に命じておいてほしいことは、
価値のないものは買わない
価値のあるものだけを買う
という姿勢です
もし、投資不動産の本当の価値がわからなければ、下げ相場のこの時期は、まずは不動産投資の勉強をする自己投資の時期にすることをおすすめします
皆さん、この時期は、くれぐれも慎重に行動することを心がけてください
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サラリーマン大家道、まだまだ続きます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました